配管圧力損失 計算
流量・配管サイズ・流体物性から、直管の摩擦損失・継手の局部損失・高低差による圧力差を求めます。Darcy-Weisbach 式による計算で、JIS 配管の呼び径から内径を自動入力できます。
入力
継手・弁の個数ΣK = 0.00
計算結果
合計圧力損失 ΔP
25.887 kPa
= 0.02589 MPa = 2.644 m (液柱)
内訳
直管摩擦損失25.887 kPa
継手・弁の損失0.000 kPa
位置による圧力差0.000 kPa
合計25.887 kPa
損失水頭 (摩擦+継手)2.644 m
直管 100 m あたり25.887 kPa
中間値
体積流量 Q50.000 m³/h
流路断面積 A0.00822 m²
平均流速 v1.690 m/s
レイノルズ数 Re172,207 乱流
相対粗さ ε/D4.40e-4 -
摩擦係数 f0.01858 -
動圧 ρv²/21.425 kPa
配管圧力損失の計算式
1. 計算の考え方
配管の入口から出口までの圧力差は、次の 3 つの合計として求めます。
- 直管の摩擦損失 — 管内壁との摩擦で失われる圧力。管長に比例します。
- 継手・弁の局部損失 — エルボや弁での流れの乱れによる損失。抵抗係数 K を動圧に掛けて求めます。
- 位置による圧力差 — 高低差 Δz による静圧の差。 上向きの流れでは損失、下向きでは圧力の回復になります。
2. 使用する式
- 平均流速とレイノルズ数
- A = πD² / 4 v = Q / A Re = ρ v D / μ
- 摩擦係数 f
- 層流 (Re < 2300) f = 64 / Re
乱流・遷移域 (Re ≥ 2300) 1/√f = −1.8 · log₁₀[ (ε/D / 3.7)^1.11 + 6.9 / Re ] - 乱流側は Colebrook-White 式を陽形に近似した Haaland 式です。反復計算なしで解け、 実用範囲での Colebrook 解との差は数 % 以内に収まります。Re が 2300〜4000 の遷移域にも便宜上この式を適用し、計算結果ではこの範囲を「遷移域」として注記します。
- 圧力損失 (Darcy-Weisbach)
- ΔP = f · (L / D) · (ρv² / 2) + ΣK · (ρv² / 2) + ρ · g · Δz
- ρv²/2 を動圧といいます。摩擦損失も局部損失も、動圧に係数を掛けた形で表せます。 摩擦・継手による損失を水頭 [m] に直すには、高低差の項 ρ·g·Δz を除いた (ΔP摩擦 + ΔP継手) / (ρg) とします。高低差は損失ではなく静圧差のため、 損失水頭には含めません。
3. 記号と単位
| 記号 | 意味 | 単位 |
|---|---|---|
| Q | 体積流量 | m³/s |
| D | 管内径 | m |
| A | 流路断面積 | m² |
| v | 平均流速 | m/s |
| ρ | 密度 | kg/m³ |
| μ | 粘度 | Pa·s (1 mPa·s = 1 cP) |
| ε | 管内壁の絶対粗さ | m |
| L | 直管長 | m |
| ΣK | 継手・弁の抵抗係数の合計 | — |
| Δz | 高低差 (出口 − 入口) | m |
| g | 重力加速度 9.80665 | m/s² |
4. 入力値の目安
- 流速 — 一般的な液体の送液配管では 1〜3 m/s 程度に収めます。速すぎるとエロージョン・騒音・圧損増大、 遅すぎると固形分の沈降が起きます。
- 絶対粗さ ε — 新品の炭素鋼管で 0.045 mm。 経年した管は腐食・スケールで 0.5〜2 mm 程度まで大きくなり、圧損も増えます。 既設配管の検討では、新管の値だけで判断しないことが重要です。
- 継手の K 値 — Crane TP-410 の代表値です。 本来 K は管径によって変わるため、精度が必要な場合は 2K 法 (Hooper) や 3K 法 (Darby) を使います。
5. 適用範囲と注意点
- 非圧縮性の単相液体が対象です。気体・蒸気は圧力によって密度が変わるため、この式では扱えません。
- 二相流 (気液混相)、非ニュートン流体、スラリーは対象外です。
- Re が 2300〜4000 の遷移域では摩擦係数のばらつきが大きく、計算値の信頼度が下がります。
- 継手の K 値は乱流域の代表値です。高粘度・低流量で層流になる場合、実際の K はこれより大きくなるため、継手損失を小さく見積もります。
- 高温・高粘度の流体では、管壁付近と主流部の粘度差による補正 (Sieder-Tate など) が必要になる場合があります。
6. 出典
- Haaland, S. E. (1983), “Simple and Explicit Formulas for the Friction Factor in Turbulent Pipe Flow”, J. Fluids Eng. 105(1)
- Crane Co., Technical Paper No. 410 — 継手・弁の抵抗係数
- Moody, L. F. (1944) / Perry’s Chemical Engineers’ Handbook 8th Ed. — 管材の絶対粗さ
- JIS G 3452 (SGP) / JIS G 3454 (STPG370) / JIS G 3459 (配管用ステンレス鋼鋼管) — 配管寸法