タンク容量 計算
縦置・横置の円筒タンクについて、鏡板 (平板・2:1半楕円・半球) を含む全容積と、液位・液深に対する液量・充填率を計算します。液位 10% 刻みの早見表付きで、横置は指定容量からの液深逆算にも対応します。
入力
計算結果
全容積
35.343 m³
= 35,343 L
液量 (充填率 60.0%)
21.206 m³
= 21,206 L
容積の内訳
円筒部28.274 m³
鏡板 (2:1 半楕円) × 27.069 m³
全容積35.343 m³
満液高さ5.500 m
鏡板深さ (1枚)0.750 m
液量の内訳
円筒部17.671 m³
鏡板部3.534 m³
液量21.206 m³
空き容量14.137 m³
液位別の液量 (10% 刻み)
| h/満液高さ | 液位 h [m] | 液量 [m³] | 充填率 |
|---|---|---|---|
| 0% | 0.000 | 0.000 | 0.0% |
| 10% | 0.550 | 2.154 | 6.1% |
| 20% | 1.100 | 6.008 | 17.0% |
| 30% | 1.650 | 9.896 | 28.0% |
| 40% | 2.200 | 13.784 | 39.0% |
| 50% | 2.750 | 17.671 | 50.0% |
| 60% | 3.300 | 21.559 | 61.0% |
| 70% | 3.850 | 25.447 | 72.0% |
| 80% | 4.400 | 29.335 | 83.0% |
| 90% | 4.950 | 33.189 | 93.9% |
| 100% | 5.500 | 35.343 | 100.0% |
タンク容量の計算式
1. 計算の考え方
円筒タンクの容積は「円筒部 + 鏡板 2 枚」に分けて計算します。 液量は液位 (液深) までの部分容積で、縦置では下鏡 → 円筒部 → 上鏡の順に、 横置では欠円断面と鏡板の膨らみを合わせて積み上げます。
- 縦置 (立形) — 液位はタンク最下点 (下鏡の底) 基準。 レベル計の指示値と対応させやすい取り方です。
- 横置 (横形) — 液深は管底基準 (0〜D)。 検尺棒・サイトグラスの読みに対応します。指定容量からの液深逆算もできます。
2. 使用する式
- 全容積
- V = π·D²/4 · L + 2 · V鏡
V鏡 (半球) = πD³/12 V鏡 (2:1 半楕円) = πD³/24 V鏡 (平板) = 0 - 鏡板の部分容積 (縦置)
- V(x) = V鏡 · x²(3 − x) / 2 x = 充填深さ / 鏡板深さ (0〜1)
- 球冠の体積公式を無次元化したものです。2:1 半楕円は球を軸方向に 1/2 に縮めた形で、この変形では体積比が保存されるため、同じ式がそのまま使えます。 上鏡は満液側から空き部分を差し引いて求めます。
- 横置の液量
- 円筒部: A = R²·cos⁻¹((R−h)/R) − (R−h)·√(2Rh − h²) → V = A·L
鏡板対: V = 2·V鏡 · (h/D)²·(3 − 2h/D) - 円筒部は欠円 (円形セグメント) の断面積に胴長を掛けます。鏡板 2 枚は合わせて 1 個の (軸方向に縮めた) 球になるため、球の部分容積比 (h/D)²(3−2h/D) で計算できます。
- 指定容量からの液深逆算 (横置)
- 液深 → 液量の式は閉形式で逆に解けないため、二分法で数値的に解きます。 区間 [0, D] を 60 回分割 (収束幅 D/2⁶⁰) するので、実用上は厳密解と みなせる精度になります。結果には同じ液深で正方向に再計算した液量と 目標との差を併記し、検算できるようにしています。
3. 記号と単位
| 記号 | 意味 | 単位 |
|---|---|---|
| D | タンク内径 | m |
| R | 内半径 D/2 | m |
| L | 円筒部の長さ (縦置は胴高さ) | m |
| h | 液位 (縦置: 最下点基準) / 液深 (横置: 管底基準) | m |
| V | 容積・液量 | m³ |
| V鏡 | 鏡板 1 枚の容積 | m³ |
| x | 鏡板深さ方向の充填率 | — |
| A | 欠円断面積 | m² |
4. 入力値の目安
- 内径 D — 図面の内径を使います。呼び径や外径 (外径 − 2×板厚 = 内径) と取り違えると容積が数 % 変わります。
- 鏡板形式 — 化学プラントの貯槽・受槽は 2:1 半楕円が最も一般的です。常圧の平底タンクは平板 (下鏡なし相当)、 高圧球形部は半球を使います。
- 常用容量 — 運転で使える容量は全容積の 80〜90% 程度に取るのが一般的です (上部空間・レベル計の制御範囲・オーバーフロー余裕)。
5. 適用範囲と注意点
- 内寸基準の幾何容積です。ノズル・マンホール・攪拌機・コイル・仕切板などの 内部構造物、腐れ代・ライニング厚は考慮していません。
- 皿形 (10% トリスフェリカル)・円錐鏡板・傾斜設置は対象外です。
- 横置の鏡板部分容積は球の部分容積比を軸方向に縮小した式で、理想的な 2:1 半楕円・半球形状に対しては厳密解です。実際の鏡板 (JIS B 8247) はプレス成形上の近似形状のため、理想形状との差が鏡板部で ±2% 程度、 全容積では通常 1% 未満生じ得ます。
- 取引・証明を目的とする計量には計量法の規制があります。本ツールの計算値を そのまま取引・証明に用いることはできません (取引用のタンク表は検定・ 検量機関等による実測に基づいて作成されるのが通例です)。
6. 出典
- 消防庁通知「タンクの内容積の計算方法について」(平成13年3月30日 消防危第42号) 別添 — 鏡板容積 (半球 πD³/12、2:1 半楕円 πD³/24)
- 円形セグメント (欠円) の標準体積公式 — 横置円筒部
- Jones, D. “Computing Fluid Tank Volumes”, Chemical Processing, Vol. 65, No. 11 (Nov. 2002) — 横置タンクの部分容積
- JIS B 8247 — 圧力容器用鏡板 (形状の定義)