タンクの計算ツール
タンク容量・質量 計算
計算の入力欄へ ↓使い方・よくある質問縦置・横置の円筒タンクについて、両端を平板・2:1半楕円・半球・10%皿型・コーン型から個別に選び、全容積・液量を計算します。胴・各端部の個別板厚から空質量・液質量・運転時合計も概算します。
- 主な入力
- 設置方向、胴・端部寸法、液位、材質・板厚
- 主な結果
- 全容積、液量、概算空質量、運転時質量
- 適用範囲
- 円筒タンクの幾何学的容量と概算質量が対象です。ノズル・補強材・架台・付属品は質量に含みません。
公開日: 最終更新: 作成・保守: PlantCalc 運営計算・掲載内容の検証方針
計算結果。全容積 35.343 立方メートル。液量 21.206 立方メートル。充填率 60.0 パーセント。空質量 2,695 キログラム。運転時合計 23,862 キログラム。
入力条件
結果を見る入力欄には操作確認用の代表値を表示しています。 実際の条件に置き換えてください。必須欄は空欄にせず、ゼロの場合は 0 を入力します。結果は自動で更新されます。
端部形状
両端の形状をそれぞれ選択できます。
質量計算条件
胴・各端部の板厚を個別に反映します。
計算結果
入力へ戻る容積の内訳
- 円筒部
- 28.274 m³
- 上部端部 A (2:1 半楕円)
- 3.534 m³
- 下部端部 B (2:1 半楕円)
- 3.534 m³
- 全容積
- 35.343 m³
- 満液高さ
- 5.500 m
- 上部端部 A 深さ
- 0.750 m
- 下部端部 B 深さ
- 0.750 m
液量の内訳
- 円筒部
- 17.671 m³
- 上部端部 A
- 0.000 m³
- 下部端部 B
- 3.534 m³
- 液量
- 21.206 m³
- 空き容量
- 14.137 m³
質量の概算
表面積
- 胴
- 37.699 m²
- 上部端部 A (2:1 半楕円)
- 9.756 m²
- 下部端部 B (2:1 半楕円)
- 9.756 m²
質量の内訳
- 胴
- 1,775.6 kg
- 上部端部 A
- 459.50 kg
- 下部端部 B
- 459.50 kg
- 空質量
- 2,694.6 kg
- 液質量
- 21,168 kg
- 運転時合計
- 23,862 kg
液位別の液量 (10% 刻み)
| h/満液高さ | 液位 h [m] | 液量 [m³] | 充填率 |
|---|---|---|---|
| 0% | 0.000 | 0.000 | 0.0% |
| 10% | 0.550 | 2.154 | 6.1% |
| 20% | 1.100 | 6.008 | 17.0% |
| 30% | 1.650 | 9.896 | 28.0% |
| 40% | 2.200 | 13.784 | 39.0% |
| 50% | 2.750 | 17.671 | 50.0% |
| 60% | 3.300 | 21.559 | 61.0% |
| 70% | 3.850 | 25.447 | 72.0% |
| 80% | 4.400 | 29.335 | 83.0% |
| 90% | 4.950 | 33.189 | 93.9% |
| 100% | 5.500 | 35.343 | 100.0% |
検算済みの代表条件
再現できる計算例
- 入力条件
- 縦置、内径 3.0 m、円筒部長さ 4.0 m、 両端を2:1半楕円とします。最下点からの液位は 3.25 m、 胴・鏡板厚さはすべて 6 mm、炭素鋼と20℃の水の代表密度を使います。
- 計算結果
- 全容積 35.343 m³ / 液量 21.206 m³ (充填率 60.0%)/ 空質量 2695 kg / 運転時合計 23862 kg
- 検算ポイント
- 円筒部は π × 3²/4 × 4 = 28.274 m³、 半楕円鏡板1枚は π × 3³/24 = 3.534 m³ です。 下鏡を満たした後、胴部を 2.50 m(62.5%) 満たします。 下鏡容積を含めた合計液量は、上下対称な全容積の60%になります。
表示値は読みやすい桁数に丸めています。代表値、境界値、単位換算、無効入力は公開前の 回帰テストで確認しています。詳しくは 検証・訂正方針をご覧ください。
計算結果の読み方
横置タンク:液深25%は液量25%ではない
比較する条件
水平に据え付けた横置円筒タンクで、内径 2.0 m、円筒部長さ 4.0 m、左右端部を平板とします。全容積は 12.566 m³ です。 液深は内面の底から測り、内部構造物の占有容積は含めません。
| 項目 | 液深25% | 液深50% |
|---|---|---|
| 底からの液深 | 0.50 m | 1.00 m |
| 液量 | 2.457 m³ | 6.283 m³ |
| 全容積に対する充填率 | 19.550% | 50.000% |
表は横にスクロールして比較できます。
結果から読み取れること
底に近いほど液面下の断面が狭いため、液深25%の液量は全容積の約 19.55% です。 全容積に単純に25%を掛けると 3.142 m³となり、約 0.685 m³多く見積もります。液深50%では断面が上下対称に二分されるため、液量も50%になります。
誤解しやすい点と適用条件
残量や補給量を確認するとき、液深の割合をそのまま容量の割合として使わないでください。 この例は水平・平板端部の理想形状です。膨らみのある鏡板や内部構造物がある場合は、 形状と寸法を合わせて再計算し、確定容量は製作図や実測値と照合します。 傾斜設置はこの計算機の対象外です。
手計算で確かめる
R = 1 m、L = 4 m、全容積 = πR²L = 4π m³
液深 h = 0.5 m を下記の欠円断面積の式に代入すると、 A = cos⁻¹(0.5) − 0.5√0.75 = π/3 − √3/4 です (逆余弦はラジアン)。
V = 4A = 4π/3 − √3 = 2.456739 m³
充填率 = 1/3 − √3/(4π) ≈ 19.550%
h = 1 mでは、V = (π/2)×4 = 2π = 6.283185 m³
この表は固定条件の解説で、計算機の入力とは連動しません。表示は丸めていますが、 比較率は丸め前の値から求めています。実設備の採否を保証するものではありません。
タンク容量・質量の計算式
1. 計算の考え方
円筒タンクの容積は「円筒部 + 端部 A + 端部 B」に分けて計算します。 両端は平板・2:1 半楕円・半球・10% 皿型・コーン型から個別に選択できます。 液量は液位 (液深) までの部分容積で、縦置では下端部 → 円筒部 → 上端部の順に、 横置では欠円断面と左右端部の膨らみを合わせて積み上げます。 空質量は胴・各端部へ個別の板厚を適用して概算します。
- 縦置 (立形) — 液位はタンク最下点 (下鏡の底) 基準。 レベル計の指示値と対応させやすい取り方です。
- 横置 (横形) — 液深は管底基準 (0〜D)。 検尺棒・サイトグラスの読みに対応します。指定容量からの液深逆算もできます。
- 端部 A / B — 縦置では A が上部・B が下部、 横置では A が左側・B が右側です。形状・コーン角度・板厚を独立指定します。
2. 使用する式
- 全容積
- V = π·D²/4 · L + VA + VB
V端 (半球) = πD³/12 V端 (2:1半楕円) = πD³/24
V端 (10%皿型) ≈ 0.098966D³ V端 (平板) = 0
V端 (コーン) = πR²H/3 H = R/tanα - 鏡板の部分容積 (縦置)
- 半球・2:1半楕円: V(x) = V端 · x²(3 − x) / 2
コーン: V(x) = V端 · x³ x = 極側からの充填深さ / 端部深さ - 球冠の体積公式を無次元化したものです。2:1 半楕円は球を軸方向に 1/2 に縮めた形で、この変形では体積比が保存されるため、同じ式がそのまま使えます。 上端部は満液側から空き部分を差し引いて求めます。10% 皿型はクラウンと ナックルの断面半径を軸方向に数値積分します。
- 横置の液量
- 円筒部: A = R²·cos⁻¹((R−h)/R) − (R−h)·√(2Rh − h²) → V = A·L
半球・2:1半楕円端部: Vh = V端 · (h/D)²·(3 − 2h/D) - 円筒部は欠円 (円形セグメント) の断面積に胴長を掛けます。半球・2:1半楕円は 球の部分容積比を使用します。10%皿型・コーン型は、軸方向の各位置における 円形断面の液面下部分を数値積分します。左右端部は別々に計算して合算します。
- 指定容量からの液深逆算 (横置)
- 液深 → 液量の式は閉形式で逆に解けないため、二分法で数値的に解きます。 区間 [0, D] を最大60回二分し、入力した目標液量に対応する液深を求めます。 反復回数は逆算の収束のための設定で、元の液量式の積分誤差や実物の寸法誤差を減らすものではありません。 結果には同じ液深から再計算した液量と目標との差を併記します。この差が小さいことは、 同じ計算モデル内で入力と結果が対応している確認です。実タンクの容量精度とは区別してください。
- タンク本体の空質量
- A胴 = πDL
A鏡 (平板) = πR² A鏡 (半球) = 2πR²
A鏡 (2:1半楕円) = πR²[1 + (1−e²)/e · tanh⁻¹(e)]
e = √3/2 → A鏡 ≈ 1.380πR²
Aコーン = πR²/sinα
m空 = ρm (A胴·ts + AA·tA + AB·tB) - 10%皿型はクラウン球面とナックル環状面を分けて表面積を求めます。 板厚は mm から m に換算します。
- 液質量と運転時合計
- m液 = V液·ρl m運転 = m空 + m液
数値積分を細分化した確認例
10%皿型の縦置部分容積、および10%皿型・コーン型の横置部分容積には、 160分割のSimpson法を使います。内径 2 m、 円筒部長さ 4 m、両端を同じ形状にした横置タンクで、 液深を内径の 1・10・25・49・50・75・90・99% に固定し、 分割数だけを変えて液量を比較しました。コーンの頂点半角は 30° です。
| 両端の形状 | 差 [m³] | 差 [L] |
|---|---|---|
| 10%皿型 | 0.00000137 | 0.00137 |
| コーン型(半角30°) | 0.00000145 | 0.00145 |
PlantCalcによる計算上の比較で、1280分割の結果も解析的な真値ではありません。 この条件での細分化差を示すもので、他の寸法・液深・形状の誤差上限や実測容量の保証には使えません。 実物では内寸、液位計の基準、鏡板の製作形状、内部構造物の占有容積も確認します。
3. 記号と単位
| 記号 | 意味 | 単位 |
|---|---|---|
| D | タンク内径 | m |
| R | 内半径 D/2 | m |
| L | 円筒部の長さ (縦置は胴高さ) | m |
| h | 液位 (縦置: 最下点基準) / 液深 (横置: 管底基準) | m |
| V | 容積・液量 | m³ |
| VA / VB | 端部 A / B の容積 | m³ |
| x | 鏡板深さ方向の充填率 | — |
| H | コーン型端部の軸方向深さ | m |
| α | コーン型端部の頂点半角 | ° |
| A | 欠円断面積 | m² |
| A胴 | 円筒胴の表面積 | m² |
| AA / AB | 端部 A / B の表面積 | m² |
| ts / tA / tB | 胴 / 端部A / 端部B の板厚 | m (入力は mm) |
| ρm / ρl | タンク材料密度 / 液密度 | kg/m³ |
| m空 | タンク本体の空質量 | kg |
| m運転 | 空質量 + 現在液位の液質量 | kg |
4. 入力値の目安
- 内径 D — 図面の内径を使います。呼び径や外径 (外径 − 2×板厚 = 内径) と取り違えると容積が変わります。 例えば内径 2.000 m、板厚 6 mm、 円筒部長さ 4 m、両端平板のタンクの全容積は 12.566 m³ です。 外径 2.012 m を内径欄へ入れると 12.718 m³ となり、 約 151.2 L (1.20%) 多く見積もります。 図面寸法の取り方による差は、数値積分の細分化差とは別の誤差です。
- 端部形状 — 化学プラントの貯槽・受槽は 2:1 半楕円、常圧タンクは10%皿型や平板、ホッパー状の排出部はコーン型が目安です。 コーンの頂点半角 α はタンク軸とコーン面の角度を入力します。
- 常用容量 — 全容積から一律の割合で決めるものではありません。 通常の上限・下限液位でそれぞれ計算し、各液位での液量と、その間で使用できる液量の差を区別して確認します。 上部空間・膨張・泡立ち・制御範囲・オーバーフロー余裕は用途ごとに検討してください。 本ツールは入力液位に対する幾何液量を計算するもので、安全な充填率や運転液位は判定しません。
- 板厚 — 胴・端部 A・端部 B の実際の公称板厚を個別に入力します。 腐れ代を含むと、現在の残存厚さより大きい空質量になります。
- 材料密度 — 代表値は炭素鋼 7,850、SUS304 7,930、 SUS316 7,980、純アルミニウム A1050(参考値)2,700 kg/m³ です。 その他のアルミニウム合金は、採用する材料の密度を入力してください。
- 液密度 — 水 20℃ の目安は 998.2 kg/m³。 温度・濃度で変わるため、運転条件の値を使います。
5. 適用範囲と注意点
- 内寸基準の幾何容積です。ノズル・マンホール・攪拌機・コイル・仕切板などの 内部構造物、腐れ代・ライニング厚は考慮していません。
- 10%以外の皿型、偏心コーン、傾斜設置は対象外です。
- 空質量は薄肉の表面積近似です。鏡板のこば (直線部)、コーンのナックル、溶接金属、ノズル、 マンホール、補強板、支持脚・サドル、ジャケット、断熱材は含みません。 輸送・吊り上げ・基礎設計の確定値は製作図と部品表から集計してください。
- 10%皿型はクラウン半径 D・ナックル半径 0.1D の理想形状です。横置の10%皿型・ コーン型、および縦置10%皿型の部分液量は数値積分です。逆算が収束しても、 数値積分・理想形状・入力寸法や液位測定の誤差は残ります。 実際の鏡板や接続部は製作寸法との違いがあるため、確定容量は製作図または実測値と照合してください。
- 取引・証明を目的とする計量には計量法の規制があります。本ツールの計算値を そのまま取引・証明に用いることはできません (取引用のタンク表は検定・ 検量機関等による実測に基づいて作成されるのが通例です)。
6. 出典
- 総務省消防庁「タンクの内容積の計算方法について」(平成13年3月30日 消防危第42号)別添 — 鏡板容積 (半球、2:1半楕円、10%皿型)
- 円形セグメント (欠円) の標準体積公式 — 横置円筒部
- Jones, D. “Computing Fluid Tank Volumes”, Chemical Processing, Vol. 65, No. 11 (Nov. 2002) — 横置タンクの部分容積
- 日本規格協会 JIS B 8247:2016 圧力容器用鏡板 — 形状名称と適用範囲の確認先。個別の製作寸法は規格本文と製作図を優先します
- 回転楕円体・トリスフェリカル面・円錐の標準幾何公式 — 各端部の容積と表面積
- JIS G 3101・JIS G 4304・JIS H 4000 — 材料区分の参照規格
使い方とよくある質問
入力から結果を確認するまで
- 縦置・横置を選び、タンクの内径と円筒胴の長さを入力します。両端の形状と寸法は図面を確認し、胴の長さへ端部の高さを重ねて加えないようにします。
- 液位を指定し、全容積と液量の内訳を確認します。質量も調べる場合は、材料・内容液の密度と、胴・端部それぞれの板厚を設定します。
- 液位別の表と計算例で液量の変化を読みます。概算質量に含まれる部位を確認し、架台や付属品の荷重は別途積み上げます。
入力・結果で迷ったとき
- 図面の外径をそのまま入力できますか?
- 容量計算には内径を使います。外径を入れると板厚分だけ内部容量を大きく見積もります。図面や製作寸法から内径を確認し、質量計算用の板厚とは分けて入力してください。
- 横置タンクの液深の割合と、液量の割合は同じですか?
- 同じではありません。円形断面では液面の幅が高さによって変わるため、液深と液量は比例しません。端部形状の影響もあるので、液位別の液量表と掲載の比較例で確認してください。
- 運転時質量をそのまま基礎や支持架台の設計荷重にできますか?
- 表示はモデル化したタンク本体と内容液の概算質量です。ノズル、補強材、架台、付属品などは含みません。支持部の設計ではそれらを加算し、適用基準に従って必要な荷重条件を別途検討します。