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PlantCalc

蒸気の計算ツール

加熱負荷・必要蒸気量 計算

計算の入力欄へ ↓使い方・よくある質問

連続して流れる流体の質量流量・平均比熱・入口温度・出口温度から顕熱負荷を求め、乾き飽和蒸気の圧力・蒸発潜熱・熱利用率から必要蒸気量を計算します。ゲージ圧・絶対圧に対応します。

主な入力
流体質量流量、平均比熱、入口・出口温度、蒸気圧力、熱利用率
主な結果
加熱負荷、必要蒸気量、飽和温度、蒸発潜熱
適用範囲
定常連続流の単相流体を間接加熱する顕熱負荷が対象です。バッチ昇温、相変化、反応熱、放熱、伝熱面積は扱いません。

公開日: 最終更新: 作成・保守: PlantCalc 運営計算・掲載内容の検証方針

計算結果。必要蒸気量 133.61 キログラム毎時。加熱負荷 69.667 キロワット。

入力条件

結果を見る

入力欄には操作確認用の代表値を表示しています。 実際の条件に置き換えてください。必須欄は空欄にせず、ゼロの場合は 0 を入力します。結果は自動で更新されます。

加熱する流体

入口から出口までの温度範囲における平均値

加熱用蒸気

入力範囲: -0.081325〜9.898675 MPaG
G=ゲージ圧 / A=絶対圧
蒸気の凝縮潜熱のうち、流体の加熱に有効に使われる割合

乾き飽和蒸気が間接式熱交換器内で凝縮し、その潜熱で連続流体を加熱する定常熱収支です。

計算結果

入力へ戻る
必要蒸気量
133.61 kg/h

= 0.1336 t/h

流体の加熱負荷
69.667 kW

= 250,800 kJ/h

流体の質量流量 ṁ
1,000.0 kg/h
温度上昇 ΔT
60.000 K
理論蒸気量(η=100%)
120.24 kg/h
熱利用率による増加分
13.361 kg/h
蒸気絶対圧 P
0.601325 MPaA
蒸気飽和温度 Ts
158.88 ℃
蒸発潜熱 r
2,085.7 kJ/kg
出口との温度差 Ts−Tout
78.88 K

この結果は蒸気量の熱収支です。伝熱面積、制御弁、スチームトラップ、ボイラー容量は選定しません。 配管径の一次検討は 蒸気流速・配管径比較 で行えます。

検算済みの代表条件

再現できる計算例

入力条件
水を質量流量 5400 kg/h、平均比熱 4.19 kJ/(kg·K) とし、10℃ から 60℃ へ加熱します。 乾き飽和蒸気は絶対圧 0.4 MPaA、熱利用率は 100% とします。
計算結果
加熱負荷 314.25 kW / 蒸発潜熱 2133 kJ/kg / 必要蒸気量 530.38 kg/h
検算ポイント
流体側の熱収支は 5400 × 4.19 × (60 − 10) / 3600 = 314.25 kW です。 掲載蒸気表の 0.4 MPaA における蒸発潜熱 2133 kJ/kg で割ると、314.25 × 3600 / 2133 = 530.38 kg/h となります。 Spirax Sarco の連続流加熱例と同じ熱収支式で再現できます。

表示値は読みやすい桁数に丸めています。代表値、境界値、単位換算、無効入力は公開前の 回帰テストで確認しています。詳しくは 検証・訂正方針をご覧ください。

計算結果の読み方

熱利用率を100%から80%に変えた場合の必要蒸気量

比較する条件

水5400 kg/hを10℃から60℃へ加熱します。平均比熱4.19 kJ/(kg·K)、乾き飽和蒸気0.4 MPaAを固定し、蒸気の凝縮潜熱のうち流体へ届く割合だけを変えます。

熱利用率を100%から80%に変えた場合の必要蒸気量の計算結果
項目熱利用率100%熱利用率80%
流体の加熱負荷314.3 kW314.3 kW
必要蒸気量530.4 kg/h663.0 kg/h

表は横にスクロールして比較できます。

結果から読み取れること

流体が必要とする熱量は同じです。熱利用率80%の仮定では必要蒸気量は100%の場合の1.25倍になります。蒸気供給量を見積もる前に、熱が流体に届く割合をどう見積もったか明確にします。

誤解しやすい点と適用条件

80%は比較のための仮定であり、この設備に推奨する設計値ではありません。総合熱利用率には凝縮潜熱の利用状況を反映し、放熱、起動時の蓄熱、ドレン再蒸発などを機械的に二重計上しないよう熱収支を確認します。

手計算で確かめる

加熱負荷は 5400 × 4.19 × 50 / 3600 = 314.25 kW。100%時の蒸気量を 0.8 で割ると、80%時の 663.0 kg/h になります。

この表は固定条件の解説で、計算機の入力とは連動しません。表示は丸めていますが、 比較率は丸め前の値から求めています。実設備の採否を保証するものではありません。

加熱負荷と必要蒸気量の計算式

1. 計算の考え方

連続して流れる流体を加熱するときの顕熱負荷は、質量流量・平均比熱・入口から出口までの温度上昇の積です。 乾き飽和蒸気が凝縮すると、蒸気圧力に対応する蒸発潜熱を放出します。 顕熱負荷を、蒸気 1 kg あたりに有効利用できる潜熱で割って必要蒸気量を求めます。

本ツールの総合熱利用率は、蒸気の凝縮潜熱のうち被加熱流体へ入る割合です。 ボイラー効率、熱交換器の温度効率、機器単体のカタログ効率とは異なります。

タンク内の「kg」を「kg/h」欄へ入れない

代表例の 5400 kg/h は、1時間に熱交換器を通る流体の量です。 一方、タンクにある水 5400 kg を同じ10→60℃ に上げる場合、必要な顕熱は 5400 × 4.19 × 50 = 1,131,300 kJ という総熱量です。 これを 30分(1800秒) で与える理想条件の平均負荷は 1,131,300 ÷ 1800 = 628.50 kW。 数字の 5400 をそのままkg/h欄へ入れた 314.25 kW とは2倍の差があります。

この時間割りの算術例は、バッチ設備の容量選定結果ではありません。 本ツールは定常連続流用です。バッチ昇温には容器の蓄熱・放熱、時間とともに変わる温度差や 伝熱能力、起動時のピーク負荷を含む別の熱収支が必要です。

2. 使用する式

流体の顕熱負荷
ΔT = Tout − Tin  Q = ṁ Cp ΔT / 3600
ṁ を kg/h、Cp を kJ/(kg·K) とすると積は kJ/h になり、3600 で割ると kW になります。
必要蒸気量
Wsteam = 3600 Q / (r η)
蒸発潜熱 r は入力した絶対圧に対する掲載蒸気表の値を線形補間します。η は総合熱利用率を小数で表した値です。
ゲージ圧から絶対圧への換算
P [MPaA] = P [MPaG] + 0.101325
G はゲージ圧、A は絶対圧です。飽和物性は絶対圧から求めます。

3. 記号と単位

記号意味計算上の単位
ṁ被加熱流体の質量流量kg/h
Cp入口から出口までの平均比熱kJ/(kg·K)
Tin / Tout流体の入口温度 / 出口温度℃
Q流体へ与える顕熱負荷kW
P熱交換器内の蒸気絶対圧MPaA
Ts蒸気の飽和温度℃
r蒸気の蒸発潜熱kJ/kg
η総合熱利用率—
Wsteam必要蒸気量kg/h

4. 入力値の目安

  • 質量流量には定常運転時の被加熱流体の値を使います。体積流量しか分からない場合は、使用温度に対応する密度を使って質量流量へ換算してください。
  • 比熱には入口から出口までの温度範囲における平均値を使います。初期値 4.18 kJ/(kg·K) は常温付近の水を想定した操作例です。
  • 蒸気圧力には供給ヘッダーではなく、制御弁などの圧力低下を考慮した熱交換器蒸気室の圧力を使います。 G/A を含む単位を確認し、必要なら 飽和蒸気表 で物性を照合してください。
  • 総合熱利用率 100% は損失のない理論条件です。初期値 90% は操作確認用であり、一般的な設計値を示すものではありません。 実設備の熱収支や測定値から設定してください。
  • 出口温度は蒸気飽和温度より低くする必要があります。近い温度を指定する場合は、温度差・総括伝熱係数・伝熱面積も確認してください。

5. 適用範囲と注意点

  • 定常連続流の単相流体を、間接式熱交換器で顕熱加熱する概算です。平均比熱は温度範囲内で一定とみなします。
  • 乾き飽和蒸気が熱交換器内の一定圧力で凝縮し、ドレンはおおむね同圧の飽和温度で排出される条件を扱います。
  • バッチ昇温、容器・配管の熱容量、放熱、立上げピーク、同時使用率、反応熱、被加熱物の相変化は自動では加算しません。 これらを総合熱利用率だけに含めると負荷を過小評価することがあるため、個別の熱負荷として検討してください。
  • 過熱蒸気、湿り蒸気、直接蒸気吹込み、ドレン過冷却による顕熱回収は対象外です。湿り蒸気では乾き度に応じて有効潜熱が小さくなります。
  • 比熱が温度で大きく変わる流体や反応・相変化を伴う場合は、平均比熱ではなく入口と出口の比エンタルピー差を使う詳細な熱収支が必要です。
  • 必要蒸気量だけを求める計算です。実際に出口温度へ到達できることや、伝熱面積・制御弁・スチームトラップ・ボイラーの容量は保証しません。

6. 出典

使い方とよくある質問

入力から結果を確認するまで

  1. 連続流体の質量流量、入口・出口温度、温度範囲での平均比熱を用意します。体積流量しかない場合は、使用温度の密度で質量流量へ換算します。
  2. 加熱用の乾き飽和蒸気の圧力と単位、凝縮潜熱のうち流体へ届く割合である総合熱利用率を入力します。初期値を設備の設計値として使わないでください。
  3. 加熱負荷と必要蒸気量を読み、出口温度と蒸気飽和温度の差も確認します。熱交換器の伝熱面積や起動時の負荷は別途検討します。

入力・結果で迷ったとき

総合熱利用率にはボイラー効率を入れますか?
この欄は、蒸気の凝縮潜熱のうち被加熱流体に有効に届く割合です。ボイラー効率や熱交換器の温度効率とは定義が違います。放熱などを含めた熱収支を整理し、同じ損失を二重に計上しないようにします。
バッチタンクの昇温時間も求められますか?
対象は定常状態の連続流体の顕熱加熱です。バッチ昇温には容器の蓄熱、放熱、時間とともに変わる温度差や伝熱能力が影響します。流体量を時間で割るだけでは、バッチ設備の選定や昇温時間を確定できません。
必要蒸気量が出れば、熱交換器の能力は足りますか?
蒸気量の計算は熱収支の確認です。必要な熱を実際に伝えられるかは、総括伝熱係数、温度差、伝熱面積などで別途検討します。出口温度が蒸気の飽和温度に近い条件では、特に伝熱能力を確認してください。
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